家財道具
相続というと、現預金や土地建物、株式なんかはイメージしやすいですが、その他の家庭用財産なんかももちろん対象になります。
家庭用財産で最もわかりやすいのは自動車です。乗って何年か経った車の価値はいくらとして計算するかというと、中古車屋さんに査定してもらうのが一番です。それも2か所あるいは3か所で査定してもらってその平均をとるとよりよいかと思います。新品の価格から減価償却したものと考えて評価額を算出するということもありますが、例えば25万キロ乗った20年前の軽自動車ならともかく、8年前のものでまだ5万キロのベンツでは、減価償却といっても中古価格はある程度つくと思いますので、その時は査定額を基にすることになります。
他にも貴金属、骨とう品など、相場や評価額があるものはそれを基にします。では細かいもの、テレビやたんす、応接セットなんかはどうなるでしょうか。こういうものは「家庭用動産で1個または1組の価額が5万円以下のものについては、それぞれ一括して一世帯ごとに評価することができる」という通達があります。例えばテレビなんかは買ったときは5万円以上するでしょうが、買って何年か経っていれば中古で買った場合あるいは減価償却したと思えばまず普通は5万円しないでしょうから、そのようなものを集めて「家具類一式 〇〇円」とします。
共通して言えるのは、まず査定できるものは査定してもらう。その次に、中古市場があるものはそれを参考にする。要は第3者の評価を基にすることが良いということです。相続人の方にとっては思い出が詰まった、金銭に変えられない大事なものでも、もし中古屋の査定で千円であれば、相続税の財産評価としては千円となります。そして逆に思い入れのない捨ててもいいようなものでも、査定額が高ければ査定額を採用せざるを得ませんので注意しましょう。